2011-02-20

マルモッタン



雨の土曜日
朝一番でお見送りのあと、またもやぎりぎり終了直前のモネ展へ
今度はマルモッタン美術館

こんなに降るとはおもわず傘を持ってこなかった
列に並んでたら、うしろの老夫婦が傘にいれてくれた
「日本に行ったことあるのよ」
「もう15年前のこと。それはそれは素晴らしかったわ」
「秋だったから、もし次があればぜひ春に行きたい」って
帽子の似合う素敵なご夫婦でした

この美術館では、やわらかな光のなかでモネの作品をみることができます
建物も素敵で、床は石だったり木だったり、手入れもよくいきとどいてます
ところどころにモネの言葉が展示してあって、その言葉たちも心地よい

一目みた瞬間、その前から動けなくなってしまった一枚の絵
〝Londres. Le Parlement. Reflets sur la Tamise.”
(ロンドン。国会議事堂。テムズ川の光の反射。)

水面が光り輝いて、空はうすく雲が散らばって、その瞬間をわたしも知ってる、これ知ってる!すごい!
夕暮れ時のほんの一瞬に訪れるあの時間なのか
あるいは朝、太陽がのぼりはじめるあの時間なのか
どちらなのか、またもっと別の時間帯なのかはじっと見つめたけれどわからなかった
上の絵ですが、絵ハガキだとやっぱりまったく別物・・・
ぜひ生でみていただきたい!

展示をぐるっとみて、また最後その部屋に戻ってきてしばらくぼーっと対峙していた
”イギリスの田舎じゃなく、とにかくロンドンが大好きだ”
モチーフと光を求めて旅をしたモネ
晩年の絵は赤茶色が多く、怨念めいたなにかさえ漂ってきそうだった

実はこのモネ展とグランパレのモネ展は開催期間がかぶってました
つまり同じ絵は一枚もないということ
(同じシリーズやモチーフの絵はありますが)
どちらもほんとうにとてもとても素晴らしい展示だった

なんの縁なのか、後期の大学院の研究テーマは「ゾラとモネ」
教授からは、オルセーとマルモッタンに何度も足を運ぶようにといわれている
なんとも嬉しい課題
同時になんとも深すぎるテーマ・・・
はて、無事レポートが提出できるのでしょうか
ドッキリしています

2011-02-18

スーリー

フランスの大きな闇のはなし

RERでもメトロでも、スリに気をつけるようにとさんざん案内を流しています
でもいざ被害にあうまで、やはりどこか他人事でした
そして実際遭遇して、基本的に「盗られる方が悪い」認識であることを痛感
警察の対応も冷たくて、それが被害者に対する言葉!?とびっくり落ち込んだのでした

ただ、まったく関係ないのに警察まで一緒に証言に来てくれたフランス人もいました
その子の正義感の強さが、この件で唯一の救いでした
もしこの子がいなかったら、一体どこですられたのかもわからず、さらに取り調べが長引いたはず
こんないい子もフランスにいるんだってわかったことは、ほんとに心が震える出来事でした
果たして自分が同じようにできるのか・・・

このスリ事件を通して、フランスの社会の仕組みや闇についても考えさせられました
毎日RERで物乞いをするおとなたち・こどもたち
スリをしないと生きていけないひとたち
次から次に巧妙になっているその手口
そして間違いなく後ろにいるであろう闇の組織
裕福な家庭がある一方、毎日を生き抜くだけが人生の目的になっている家族もいる

これまでフランスのストや電車の遅れ、サービスの悪さなどに閉口していたものの、
おいしかったり、建物が素晴らしかったりとフランスのいい面を見る機会の方が多かった
でも暗くて危ない、どうにもならない面も抱えているこの国の現実

「この国は、日本に比べて個人の裁量によるところが多すぎるんだよ。誰にとっても自由なんだ。」
と最後見送りの警官にゆわれました

おいしいー♥素敵ー♥楽しいー♥
ってゆうキラキラばかりじゃない
闇の部分も抱え持つこの国で暮らすということ
どどんとショックだったけれど、こうやって深く考える機会が今の自分に必要だったのかもしれません
でもそれも命があってこそ!

ここでの生活もあっという間に折り返し地点
気を引き締めて、最後まで走りぬきたいとおもいます!

2011-02-08

パイナツプリン

金曜日のアトリエでデザートに選んだのはパイナップル
どら焼きを注文しようかとも思ったんだけれど、さっぱりと〆るのにはフルーツがいいだろうと
(もちろん予算の関係もありつつ)

勢いよく3つも買いこんだものの(とても重かった)、当日の準備中に、はたと気がつく
あれ、私パイナップル切ったことないや

想像より硬くて厚いちくちくする皮の部分と、やたら大きな葉の部分
缶詰のパインはまるくドーナツ型
つまり、真ん中は食べられないということか

そのとき、ぱっと、突然、鮮明に思い浮かんだシーン
映画「おもひでぽろぽろ」のパイナップルのシーン
お父さんがお土産に高級なパイナップルを買ってきて、お姉ちゃんが台所でそれを切るという

おしりと葉に近い両側を切り落とし
そのあと縦に半分に切る
それをさらに半分に
4分の一になった実の三角にとがった内側(つまり芯)を切り落とす
そして皮に沿って実を切り離し、舟の要領で皮を残す
1センチくらいずつ包丁を入れれば、ほら出来上がり

よかった、ほんとうに
もし思い出さなければ、きっとキウイのように切っていたとおもう
こんな風に、知っているようでいて実は知らないことってきっともっとたくさんあるんだろうなぁ

2011-02-05

L'atelier du Japon ~la 1ère session~

気がつけば2月
風がとても強く吹いています
これが春の嵐だといいのに

今日はフランスの企業へ向けて日本をアピールする企画、アトリエジャポンの第1回
この企画の狙いは、日本に関心をもってもらうこと、そして日本進出を促進すること

ただの講義だけだとつまらないから、アトリエもしちゃいましょう
それなら絶対に興味を持ってもらえるはず★
と、私が文化面でのアトリエ担当になったのです

第1回はお習字と巻き寿司のアトリエ

まずはお習字アトリエ
ひとりひとり参加者の名前のお手本を硬筆用、毛筆用に準備して、その書き順も別の色で書いて・・・
と、持ち枠の時間がかなり短かったので、準備万端でのぞみました
(みんな大人だけど)こどもたちと同じようにわくわく、フレッシュに挑戦してくれました
笑顔がたくさん咲いて、すごくいい雰囲気でした
ブラボー!



そしてカフェテリアへ移動して巻き寿司アトリエ
家で6合のすし飯を炊いてゆきましたぞ!
朝の6時から部屋中に立ち込めるお酢のいい香り
ごはんはやっぱり当日に炊いたものでなくちゃ、と
そしてすし飯を冷ましている間に卵焼きを何度も焼いて
卵焼きを冷ましている間にきゅうりをひたすら切って・・・

こんなに大量に作ったのはじめて!!

巻き簾を使う時間も場所もなくて、今回は手巻き
のりを切るところから具をはさむまで、工作のような手巻き寿司アトリエ
パリ事務所の黒井さんや、Forster先生にもお手伝いいただき、みんなうまいこと巻けてました★

「巻いた後、これどうするの?」
「もちろん食べます!ボナペティ!」
ってゆうとちょっとびっくりしながらも自作手巻きを頬張るおとなたち
そっか、手でものを食べる習慣がないのか!と後から気付く
・・・ブラボー!

そして引き続き、昼食タイム
パリのお惣菜やさんに注文して届けてもらったんですが。。。
このやりとりが本当にややこしくて大変でした
実のところこれが最大の懸案事項で、何度ため息をついたことか
出前が届かずみんなをがっかりさせちゃう夢までみるほど・・
でも無事届いて、いろんなひとに料理のチョイスも褒めてもらえて、結果オーライ!

上司のElodieも”大成功よ!”ってすごく喜んでて
講義や会議においては、どうやら盛り上がることが重要みたい
ま、うまくいってよかった

送迎と、準備・後片付を手伝ってくれた同僚SylvieにGrand Merci★です